アセマネ業界研究📊

アセットマネジメント業界についての情報を発信します。

アセマネの職種各種とその激務度合い

ひとくちに運用会社といっても色々な職種があります。ただし、職種によっては境目があいまいだったり、呼称が異なったりします。

アセットマネジメントの主な職種
営業(機関投資家、ホールセール)
プロダクトスペシャリスト
運用
アナリスト(バイサイド)
RFP作成チーム
ミドルオフィス・バックオフィス(コンプライアンス、オペレーション等)f:id:tenshoku66:20230505052635j:image

 

営業(機関投資家、ホールセール)

営業、よくRM(Relationship Manager)と呼ばれますがビジネスの根幹です。

運用会社の営業は大きく分けて2種類あります。機関投資家向け営業とホールセールと呼ばれるものです。

機関投資家営業とは、年金基金や金融機関等の機関投資家向けに運用商品(ファンド)の提案をするものです。ホールセールとは主に個人を対象とした投資信託等の商品を証券会社に取り扱ってもらう営業です。

もちろん営業なのでお客さん次第ですが、余り激務ではなく、総じてブラックさは余りないイメージです。

ただ、最近はコロナや規制で厳しくなってはいますが接待攻勢をかける会社であれば業務外での拘束が長くなります。

運用担当者

実際に資産を運用するいわば花形職種と言えます。

ただし、外資系では運用対象資産は海外が多く、運用担当者も海外である場合がほとんどです。従って日本の拠点では運用機能が無いところも多いです。

日本株や国内債券にかかるものやクオンツ運用、日本国内のヘッジファンド投資等、その他不動産など日本国内の資産が対象となっている商品がラインアップにあれば日本国内にも運用担当者がいます。

海外の運用担当者も人によりますが結構早く帰宅している様です。

プロダクトスペシャリスト

プロダクトスペシャリストとは営業と運用担当者の橋渡し役です。

営業は多岐にわたる運用資産を顧客に提案する為、幅広い商品知識が必要になりますが、海外の全ての資産クラスをマスターすることは難しいです。

よって、それぞれの資産クラスに応じて、その投資資産に精通している専門家を日本国内に置いています。

彼ら、彼女らは海外の運用担当者と密にやり取りを行い顧客に対してより深い説明を行うことが必要な場合に直接説明したり、何か市況に大きな変化があった場合に専門家として説明することが求められます。

会社によってはこの機能を実質的に営業が対応したり、呼称がクライアント・ポートフォリオ・マネージャーと言われたりして、担当業務の境目があいまいです。

担当する機能の多さで激務さは変わってきますが、比較的規模が大きいところであれば職務の配分が適切になされているので比較的ホワイトです。

アナリスト

主に国内の株式や債券の調査分析を行う職種です。運用会社のアナリストはバイサイド・アナリストと呼ばれます。より大きな概念で国の経済状況等を分析する人をエコノミストとも言います。日本の投資資産として取り扱っていない外資系運用会社はアナリストを置いていなかったりします。

株式は当然決算期に非常に忙しくなります。債券もクレジットイベントが発生しそうになったり、金利動向に動きがあればかなり激務になるでしょう。

商品開発(ストラクチャリング)

特に海外資産を扱う運用商品(ファンド)はファンドが設立されている国によって様々な規制や会計・税務の知識が必要になります。

一番有名なものとしてはケイマン籍、その他ではルクセンブルグ籍、イギリス領ジャージー籍、米国デラウェアのパートナーシップなどがあります。

日本を主な投資家として新たにファンドを設立する場合にベストなストラクチャーでファンドを作り上げそれをメンテナンスするのが商品開発(ストラクチャリング)の業務です。

作業量が膨大なことは余りないのですが、海外とのやり取りが多く、激務度合いはそこそこ高いです。

RFP作成・クライアントサービス

RFPとは、Request for Proposalの略称で日本語訳は「提案依頼書」といいます。

IT業界でも使われる用語ですが、投資家に対して運用会社の成り立ち、業績、チーム体制や対象となる運用商品(ファンド)の実績等を事細かに記載された書類になります。

投資家よっては対象となる運用商品(ファンド)の投資を行うにあたってこのRFPの提出を要求します。

RFPは運用会社そのもののアピール、そして運用商品(ファンド)の売りを詳しく記載する非常に重要な書類で、何十ページに上ります。

これを書きあげるのはかなり骨が折れる作業です。実質的に営業とプロダクトスペシャリストが作成する場合もありますが、専任のチームを置いている運用会社もあります。

従って激務度合いでいうと結構高いです。

クライアントサービスとは、運用商品(ファンド)に投資をしてもらった顧客に対する書類や報告書などアフターサービスを行う業務です。

ミドルオフィス・バックオフィス(コンプライアンス、オペレーション等)

ファンド運営とは常に各国の規制を強く受けるため特にコンプライアンスは各国と連携しながら法令・規制を遵守する非常に重要な機能です。

また、オペレーションは資産の発注や約定、引き渡しや顧客からの資金受け取りと運用資産への送金指示など、ミスが許されずしっかりとできて当たり前の非常に重要な業務になります。主にこの二つの業務はファンドの根幹にかかる部分です。